歯科相談Q&A

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一番奥の歯一本のみのインプラントは薦めないと言われました。

Q
本日ある大学病院のインプラント科に行ったところ、一番奥の歯一本のみのインプラントは薦めないと言われました。
奥歯は噛む力が強いので一本だけだと壊れる可能性が有るとのこと。
情報では一本でも出来るように説明されているので、どうなのでしょうか?
症例がありましたらお知らせください。
女性


A
メールでは、年齢が書いてありませんし、他の状況が全くわかりませんので、一般的な事だけを返信いたします。
年齢、状況によっては、人により、まったく違ってきます。
普通は、どこの場所でも、一本でも、インプラントができます。
ただし、条件はどこも同じではありません。
一番奥歯は、とても難しい場所のひとつです。
噛む力が強い上に、横方向に揺する力も最も強く、これだけでも危険が多い上に加えて、歯磨きが最もし難い場所のために、後で歯周病も併発しやすく、それが加わるとさらに危険です。
他にも考慮しなければならない事はたくさんあります。
しかし、条件がそろい、ベストを尽くせばできない事はありません。
もちろん、他の場所よりも非常に大変です。
Q
このメールにお返事をいただきました。
早速のお返事ありがとうございました。
実は年齢も62歳なので歯周病や骨の状態も心配はしていました。
まだ検査はしておりませんが、年齢的に大いに考えられるのでやめた方が良いのかも知れませんね。
片方のブリッジに抵抗感がありインプラントに希望を持ったのですが残念です。
A
年齢とは二種類あります。
暦どおりの年齢と、実際のその人の心身の年齢です。
後者は個人差がとても大きく、一概に諦める事はないかもしれません。
たとえば、ブローネマルクインプラントが最も信頼できるデータをそろえていますが、成功した中の最高齢者は、87歳でした。
日本人は長生きできるようになりました。でも大切な事は、何年生きるかというよりも、一年一年を健康で楽しく、生き生きと暮らせる事です。そのためには、体も健康でなければなりませんが、一生の間、口がからだ全体の健康を守る役目を果たしている事は、ほとんど全く知られていません。ただ、食べるためだけに、口があるのではありません。
良く噛める、歯を残す事はとても大切です。ちなみに、歯の数が減るに従って、痴呆の発生が比例するように増えていきます。
良く噛む事が大切な事はご存知と思います。
その主な、重要な理由は以下のようです。
良く噛めないと、あるいは、よく噛まないと、ただ単に、栄養食品をそろえて流し込んでも、からだが栄養を取り入れられません。
それだけではなく、高脂血しょうや、高血圧や糖尿病になりやすいとか、癌の発生率が非常に高くなるともいわれています。
また、歯周病があるのに気がつかないでいると、心筋梗塞、脳卒中など循環器系の病気にもとてもかかりやすくなり、若い女性では、異常出産の危険も増えます。
したがって、インプラントが成功すれば、予防医療とあいまって、自分の歯も守られてもう抜けないようになったり、口の本来の働きが取り戻せて全身の大きな病気を防ぐ事ができるようになるはずです。
歯科医療の本当の目的は、病気をもう終わりする事、そして、歯を残す事です。
それによって、最終目標は、健康な口を守って、健康長寿を手に入れる事です。
諦める事は簡単ですが、骨が全くなくなってしまわないうちに、お近くの歯科医院で、検査だけでも、お受けになってはどうでしょうか。

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