上左前歯一本を無くして3本ブリッジにしたのですが
2010年5月9日
ご相談内容 : 上左前歯一本を無くして3本ブリッジにしたのですが最近左側の歯根が炎症をおこして治療したのですが良くならずこのままだと抜かなくてはいけなくなりそうです。
もう歯をだめにしたくありません。
先生はインプラントには、否定的です。
すごいストレスで心身症になりました。
福岡県 : 47 : 女 : 会社員
ご相談のメールありがとうございます。
この場合、必ずしもインプラントが一番良い方法とはいえないかもしれません。
またブリッジにしても良いかもしれません。
正しく作れば、簡単にだめにはなりません。
当院でもブリッジを入れましたが、だめになったことはまずありません。
一番長い方で25年以上経ち、今も定期点検していますが、ぜんぜん問題なく使えています。
これからまた20年使いましょうねとお話しています。
治療内容が大切です。
良くご相談されるてはいかがでしょうか。
ただし歯の治療方法はいくつもありますが、歯科医療の基本的な重要事項を良く知り、ご自分の考えを決めて始めなければ後悔します。
まず、それを説明しましょう。
目的をご自分ではっきりと決め、治療前にご自分から話さなければなりません。
[歯の治療の目的]
ⅰ 虫歯や抜けた穴、の後始末という、病気の治療だけが目的 (早い・簡単・楽で・安いが、病気や治療のくりかえしは、仕方がないと妥協する)
ⅱ 痛みを止めたり、穴を埋めることと同時に、一生歯を残すためとか、気持ちを含めた心身全体の健康のために治療する、ということがむしろより大きな目的 (嫌なことはもう一生終わりにできたほうがうれしい しかし大変)
ⅰ であれば、極端に言えばどんな治療でも良いのです。
どうせ、削り、神経や歯を抜くことをまた一生繰り返すのだし、回りの中高年の方たちのようにだんだん歯が無くなり、いずれ入れ歯になると諦めれば早くて、簡単で楽です。
ⅱ であれば、簡単な治療に見えてもたった一度の治療で取り返しがつきません。一つとしておろそかにできませんから、一生歯や心身全体の健康を残す原則を懸命に守り続けなければなりません。
その大切な原則は、たった二つです。
[一生歯を残す原則]
[口だけでなく、心身全体の健康を守る原則]
Ⅰ.削らない
Ⅱ.(その歯の神経や、口全体で一本も奥歯を) 抜かない
しかし、これを一生守りきることは大変難しく、特に皆様がお一人で努力しても全く効果がありません。
総入れ歯の方たちも、一生懸命歯を磨いて、従来の歯科検診を受け、治療にも通っていらっしゃったのですから・・。
このようなごくごく基本的なことは常識なのです。
もしⅱを目標とする場合は、我々もとても大変で必死です。
インプラントという治療は、他の歯を残す働きがとても大きいこと、正しく治療すればとても長持ちすること、その確率が非常に高いことから、現在世界的には、歯を失った後の治療方法の第一選択肢となり、すでに安全性も確認されて、もはや確立された方法です。
ただ、とても高度な治療なので失敗すればとてもひどい目に遭います。
その先生が否定的なことにはひとつの根拠があるのです。
インプラントしなければ、お互いにひどい目に遭うことは全くないのです。
決して、安易に飛びつかないようにしなければなりません。
インプラントを含めて、全ての歯の治療は元通りにはなりません。
それぞれの方法には、良くなる反面、欠点が必ずあります。
変に妥協せず、もう後悔しないように慎重に検討してください。
大変お困りだとは思います。
しかし、十分に手を尽くせば必ず良い結果が待っています。
ただ、お口の状況のみならず、心身の健康までだんだん失えばそれだけ高度な治療が必要です。
いたずらにお一人で悩まず、また何でもご相談ください。
遠くから我々も応援しています。
頑張ってください。
国際ビル歯科 相良俊男